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    「あとのこと」

    出展作家:岡田佑里奈、山﨑愛彦

    会期:2025年10月21日(火)〜11月8日(土)
    開廊時間:12:00〜19:00
    ※最終日は18:00まで
    ※月曜休廊

    オープニングレセプション
    10月21日(火)
    17:00〜19:00


    本展では、岡田佑里奈と山﨑愛彦の二人による現代における記憶や時間の痕跡を手がかりとした、写真と絵画の領域を横断する新たな平面表現の作品を展示いたします。

    岡田佑里奈は、時間と共に変化する草花や同世代の女性を撮影した写真を転写し、そこに意図的にひび割れを生じさせ、その隙間へ塗料を流し込むことで作品を形成します。写真と絵画双方の技法を横断しつつも、ひび割れた表面に宿る質感や痕跡を強調することで、ものが朽ちゆく過程そのものを美としてとらえ直す彼女の姿勢には、日本的な「不完全性の美」の精神が息づいています。

    山﨑愛彦は、自身がSNS上で共有した写真や記憶の断片をソフトウェアによって分解・再構築し、そのイメージを投影して絵画として描き出します。情報が絶えず流れ、やがては消えていく現代の環境の中で、断片を再びとどめ直す彼の作品は、絵画を有機的なネットワークとして立ち上げ、鑑賞者の想像力や記憶を呼び覚ます場となります。

    異なるアプローチを取りながらも、二人に共通するのは「移ろいゆくものをいかに留め直すか」という問いです。作品を前にすると、画面に定着した時間の先を想像せずにはいられません。インターネットを通じて瞬時に消費される膨大な断片や、時間の経過とともに変質する物質や記憶。それらを絵画という形式に組み替え、再び現前させる二人の試みは、現代において絵画が担いうる役割とその可能性を鮮やかに浮かび上がらせます。
    本展を是非ご高覧ください。